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福島県動物愛護管理推進計画パブリックコメント全文

こちらの記事はひとつ前の記事、「福島県動物愛護計画パブコメのヒント!」で記載したPDFファイルが開けなかった方向けの記事です。

私が書いたパブリックコメントの全文を記載しています。

 

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福島県動物愛護管理推進計画パブリックコメント

⑴ 計画が分かりにくい点

 

①「5.現状と課題を踏まえた施策等の方向 ⑴動物愛護と適正飼養の普及啓発」の項目で、

・周辺環境を損なう飼い方
・身勝手な飼養管理
・犬の不適正飼養

等の項目が記載されている部分が、文字が密集していて読みづらいため、1 行ずつ空けて記載するなど工夫してほしい。

同様のことが他の項目にも当てはまるので、⑴から⑵への説明が移る部分は 2 行空け、・から・への説明が移る部分は 1 行空けるなど、余白を増やし、計画を読みやすくする工夫をしてほしい。

 

②用語の説明が少ない。「1.改定の趣旨」では 1 行目に『愛玩動物』と記載されているが、動物が好きでない方はこれがペットと同義であることは分からないと思う。また 2 行目の『伴侶動物』も言葉が難しく、『(コンパニオンアニマル)』の部分もさらに言葉が難しいと思う。

説明が必要と感じる用語を下にまとめたので、計画では文章内で解説をするか計画の最後に用語集をつけるなど工夫をしてほしい。

・愛玩動物(P.1 2 行目)

・伴侶動物、コンパニオンアニマル(P.1 3 行目)

・特定動物(P.3 22 行目)
※P.4 25 行目から解説があるが、P.3 の 22 行目に移動してほしい。

・終生飼養(P.4 17 行目)
※P.12 の 35 行目から解説があるが、P.4 の 17 行目に移動してほしい。

・適正飼養(P.4 18 行目)

・多頭飼育崩壊(P.4 19 行目)

・第一種動物取扱業者、第二種動物取扱業者(P.4 35 行目)

・マイクロチップ(P.4 39 行目)

・返還、譲渡(P.5 5 行目)

・地域猫活動(P.5 9 行目)

・繁殖制限措置(P.6 36 行目)
※P.12 の 21 行目から解説があるが、P.6 の 36 行目に移動してほしい。

・屋内飼養(P.6 36 行目)

・所有者明示措置(P.6 37 行目)
※P.12 の 41 行目から解説があるが、P.6 の 37 行目に移動してほしい。

・臨床獣医療(P.9 6 行目)

・同行避難(ペット連れ避難) (P.9 32 行目)
※P.17 の 2 行目から解説があるが、P.9 の 32 行目に移動してほしい。

・放置犬等の捕獲抑留(P.13 6 行目)

 

 

③「5.現状と課題を踏まえた施策等の方向 ⑴動物愛護と適正飼養の普及啓発 ●犬、猫の引き取りについて」の項目で、令和 4 年度の数値があるにも関わらず、令和 3 年度の数値を採用しているのはなぜか、出来る限り最新の情報を掲載すべき。

また、犬猫の引き取り数、返還数、譲渡数、殺処分数を記載した表か、または円グラフをこの項目に追加してほしい。

また、殺処分になった猫の 7 割は仔猫であることや、引き取った猫のうち所有者不明の猫は 7 割弱であることを円グラフを用いて説明してほしい。

この項目は数値と難しい用語が何度も続いているため、動物愛護に詳しくない人は、この数値がどういう意味なのか分からないと思う。何かしらの表や円グラフは掲載すべき。

 

 

④追加の説明が無いとわからない部分が何点かある。

・ P.6 の 21 行目、「猫への無責任な餌やり行為」という表現は、餌やり自体が悪い行為であるという印象を与えるおそれがあり、地域猫活動の妨げになることから、表現の変更を求める。

「適切な餌やりの啓発」について明確に記載すべきであり、餌やり自体が悪いことではないことを広く理解してもらいたい。

 

・ P.8 の 36 行目、「動物愛護ボランティア」と、P.8 の 39 行目、「動物愛護推進員」と、P.11の 28 行目、「動物愛護推進ボランティア」の 3 つの役職について違いが分かりにくい。それぞれの違いが分かるように追加で説明を加えてほしい。また、「動物愛護ボランティア」については詳しい活動内容や人数を追加で記載してほしい。

 

・ P.8 の 42 行目、「動物愛護推進協議会」と、P.14 の 34 行目、「福島県動物愛護ボランティア会」の 2 つの会について違いが分かりにくい。それぞれの違いが分かるように追加で説明を加えてほしい。また、「福島県動物愛護ボランティア会」については詳しい活動内容や所属人数を追加で記載してほしい。

 

・ P.9 の 19 行目、「地域猫活動に取り組む住民への『支援』を行います」の支援とは具体的にどのような支援か、詳しく記載してほしい。

 

・ P.11 の 17 行目、「福島県動物愛護基金」とはどのようなものなのか、詳しく記載してほしい。令和 4 年度はいくら集まり、どのような使われ方をしたか、また予算とは別に使えるお金ではないことを知らない県民もたくさんいると思うので、予算と基金の関係について記載してほしい。

 

・ P.15 の 5 行目、「犬猫の不妊去勢手術の補助を行っている自治体があり、県はこうした市町村との『連携』を進めていきます。」とあるが、連携とは具体的にどのようなことをするのか、詳しく記載してほしい。

この部分は、福島県が全国ワースト 1 位の犬猫殺処分数になっているなかでも一生懸命猫の不妊去勢手術を自腹で行っている個人のボランティアからすれば、手術費の助成は一番の問題であるので、県が財政的な支援をするのか、そうではないのか、詳しく記載することを強く求める。

 

 

 

⑵計画の中で疑問に感じる点、再考してほしい点

 

①「7.目標の設定」 令和 15 年度の最終目標値について

令和 3 年度の数値を基準にして 50 パーセント減を目標にしているが、甘いと思う。真に福島県の動物愛護管理を推進するならば、高い目標を定めてそれに向かって努力するべきだと思う。

せめて犬猫殺処分数は、0 頭(譲渡不適と判断された個体を除く)を掲げてほしい。最終的に 10 年後 0 頭を達成できなかったとしても、その目標に向かって努力することが福島県の動物愛護管理を推進することになると思う。

犬に関しては令和 4 年の犬の殺処分数 71 頭であるにも関わらず、令和 15 年度の最終目標が 60 頭以下と、10 年間で今より福島県全体で 10 頭減らせば目標達成となる。この目標数値の設定の甘さには疑問しか感じられない。

 

②「5.現状と課題を踏まえた施策等の方向」 施策等の方向が前回の計画と変わらない点について

新旧対照表を見比べて、この項目は現状と課題が前回の計画と大きく変わっている点が多いにもかかわらず、最も大事な施策等の方向が前回とほぼ変わらない点が疑問である。
変化した現状と課題に対して施策等の方向も変えていくべきではないか。

 

③動物愛護推進員、動物愛護推進協議会の役割について

動物愛護推進員はどのような方を選ぶのか電話で伺った際に、「県の方針沿って活動をしてくれる方ということが大前提」と回答をいただいた。

本来ならば、様々な立場の方で、様々な意見を持つ方が、県の動物愛護担当の方々と話し合い、意見を取り入れながら県の動物愛護を推進していくべきだと思う。

県の方針に合う方だけを集めてしまえば、新しい意見を吸い上げられず、ただ県の行うことに肯定するだけで、新たに推進員を設置した意味が無くなってしまう。

県の方針に沿って行うボランティアは既に県が育成している動物愛護ボランティアがいるので、推進員は県の方針にも意見を言え(対立するのではなく)、県と一緒に動物愛護を推進できる方を選んでほしい。

同じく協議会も、様々な立場の方が意見を交換できる会になれるよう、ただ県の行うことを肯定だけする会にならないようにしてほしい。

 

④普及啓発の方法について

計画の中には何度も「動物愛護と適正飼養の普及啓発」という言葉が出てきたが、「普及啓発」の方法について、電話で伺った際には、「広報番組、ホームページへの掲載、飼い主への直接的な指導、相談」が主になるという回答をいただいた。

より多くの方に動物愛護と適正飼養が重要であることを知らせるために、県内で協力していただけるペットショップをはじめとするペット関連のお店に、チラシやポスターの掲載をお願いしてはどうか。

今回動物愛護管理推進計画について理解を深めるため他地域の計画を見てみたが、愛知県ではペットショップをはじめとして、動物取扱業者のなかで行政の普及啓発に協力していただける業者を募り、一体となり普及啓発を行う計画になっていた。福島県もぜひ参考にしていただきたい。

 

⑤地域猫活動において「さくら猫」に関すること

地域猫活動に従事する県民の方が度々、耳カットするのはかわいそうと地域の方から苦情を言われてしまう。実際は一度手術を施しリリースした猫をもう一度捕まえてお腹を切ってしまうことが無いように必要な耳カットであるため、さくら猫にする理由を計画の中に掲載してほしい。

 

⑥動物取扱業者について

P.8 の 14 行目、「動物取扱業者については、依然として不衛生な環境下で動物を飼養するなどの不適正飼養の実態があることから」とあるにも関わらず、P.22 の⑧動物取扱業施設の違反件数が平成 25 年から 0 を保っているのはなぜか。言葉とグラフの数字が矛盾している。

 

 

⑶県へ伝えたいこと

 

①動物愛護を担当する職員の増員をお願いしたい。

福島県で動物愛護を担当する部署は食品衛生課のなかの動物愛護係である。

動物愛護管理行政は動物福祉の問題と人の福祉の問題が複雑に絡み合い、とても少人数ではカバーできない業務量だと推測する。

福島県が全国ワーストの犬猫殺処分数を脱するためにも、動物愛護担当者を増員し、係から抜け出し動物愛護課にレベルアップしてほしい。

正規の職員を増員することが難しければ、保護している動物のケアを行う職員や、動物愛護に関する問題の相談を受け付ける窓口を別に設置し専用の職員を委託するなど、人を増やす工夫を行ってほしい。

 

②市町村や中核市など行政の壁を超えた広域的な譲渡をお願いしたい。

現在、福島県内の保健所やセンターで保護され譲渡を待つ動物はそれぞれの保健所やセンターのホームページを訪れなければ見ることができないため、県内で譲渡を待つ犬猫を一度にすべて見られるようなページを作ってほしい。

 

③ミルクボランティアの育成を検討してほしい。

所有者不明の猫の引き取り数が多く、殺処分される猫の 7 割が仔猫というデータが出ている。福島県の猫の殺処分数を減らすためには、ミルクボランティアの設置は不可欠だと思う。ぜひミルクボランティアの設置をお願いしたい。

 

④あづま総合運動公園への猫の遺棄が後を絶たない。防犯カメラを設置し、警察と連携して猫の遺棄が少なくなるような工夫をしてほしい。

 

⑤福島県内での犬猫の移動販売が多い。「ペットカーニバル」などと称し、幼齢な犬猫を全国各地移動して販売をする移動販売であるが、実際に行ってみると犬猫たちがみんなぐったりしていて、とても異常な光景である。小さなケージの中で破られた新聞紙の上に横たわる犬猫の姿は涙が出るほど辛い光景であった。

ペットの移動販売には福島県教育委員会が後援しているが、すぐに後援をやめてほしい。

 

⑥市町村のなかには犬猫の不妊去勢手術費用の助成を行っているが、県がその助成金の半分の金額を負担することで、地域の不妊去勢手術が進むと思う。検討してほしい。

あるいは、飼い主のいない猫の不妊去勢手術助成金を創設して、各市町村へ助成金として分配してほしい。

 

⑦多頭飼育崩壊が起きた場合の対策マニュアルを作ってほしい。福祉関係機関と連携して対応するのは大切だが、どう対応するのかガイドラインやマニュアルを定めて対応してほしい。

 

⑧犬のしつけ方教室、猫の飼い方講習会も大事だが、福島県が抱えている所有者不明の猫の引き取り、殺処分を解決するには、地域猫活動講習会を行うべきだと思う。

 

⑨地域猫活動をボランティア任せにせず、行政がもっと間に入るべき。

猫のためでもあるが、地域の人間関係が円滑になるようにすることや、地域で人と動物が気持ちよく共生するために、行政として地域猫活動を主体的に推進してほしい。

県内の地域猫活動のボランティアさんは疲弊しています。

猫が好きで好きでたまらないから地域猫活動をやっているわけではありません。

誰かがやらなければ不幸な命を増やしてしまうから、自腹を切ってやっている方ばかりです。

これ以上地域猫活動のボランティアさんが壊れないよう、どうか行政も地域猫活動を主体的に推進していただきたいです。

 

⑩どうか、県の意見を肯定する方だけではなく、地域の動物愛護活動に従事している方とも対話してください。

クレームを言いたいのではなく、県と一緒に福島県の動物愛護を良くしていきたいと本気で考えています。よろしくお願いいたします。

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